

震災、台風、洪水などにより被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈りしております。
私たちJVCケンウッドグループは、2008年10月1日に日本ビクターとケンウッドの経営統合によって発足し、満3年を迎えた2011年10月1日に持株会社であるJVCケンウッドに事業会社である日本ビクター、ケンウッド、J&Kカーエレクトロニクスを合併いたしました。
発足以降、世界規模での経済危機や過年度決算の訂正に直面し、生き残りをかけて構造改革に取り組むとともに、強みを発揮できる事業への集中を進めてまいりましたが、計画した構造改革は2011年3月期をもって完了し、集中した事業が順調に推移したことにより、業績・財務状況は急速に回復いたしました。また、新たな成長戦略を強力に推進するための資本調達や、中長期的に利益ある成長を持続していくための資金政策を実施することができました。これらはひとえに皆さまのご支援の賜物と心からお礼申し上げます。
こうしてJVCケンウッドグループは、日本ビクターとケンウッドが経営統合したからこそ、新たな成長を遂げるための企業基盤を再構築することができ、長かったトンネルを抜け出ることができました。この企業基盤をベースに、調達した資金を活用して、歴史ある二社が経営統合するにいたった本来の目的である「世界をリードする専業メーカーとしての地位確立」に向けて、強い事業に集中し、利益ある成長を実現するとともに、ひろく社会から信頼される企業となるべく、全社をあげて取り組んでまいります。
私たちは、合併に先立ち、持株会社取締役への事業会社長の委嘱、本社・事業所再編、事業会社の取締役会・監査役会非設置会社化などにより、統合経営を深化させてきました。本年5月には、それまでの会長 兼 社長 兼 執行役員最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)の一元体制から、会長が合併による統合経営の枠組みづくりに注力し、社長 兼 CEOが事業運営を指揮し、成長戦略を推進する新しい経営トップ体制に移行しました。あわせて、事業会社別の経営体制を再編して、4事業セグメントに対応した4つの「事業グループ」を発足させ、CEOのもとで各事業グループの最高業務執行責任者COO(Chief Operating Officer)が事業運営を行う体制へと移行しました。
合併後は、こうした事業運営に加え、会社運営の一元化をはかることにより、経営の透明性と信頼性を高め、一体会社としての強固な企業基盤を確立して利益ある成長を加速してまいります。
第一に、ガバナンス・内部統制の一元化によって、階層を減らし、意思決定の一元化、スピードアップをはかり、透明性・信頼性を高めるとともに、組織運営の一元化によって、業務革新を進め、スピードアップをはかってまいります。第二に、資金運用の一元化によって、資金運用の自由度、効率を高めてまいります。第三に、社内制度の一元化によって、人材交流・活用、社員の意識統一をはかり、組織と従業員の活力を大いに高めてまいります。
これにより、事業環境の変化に迅速・柔軟に対応し、統合効果を最大限に発揮する新生「JVCケンウッド」として、全社をあげた成長戦略に集中するとともに、中長期的には自力成長を超えた会社の成長を実現するため、戦略的提携やM&Aにも取り組み、日本の専業メーカーのグローバル競争力強化に向けてチャレンジをしてまいります。
事業運営面では、私たちの強みである映像技術、音響技術、無線技術、音楽・映像ソフトをコアに、「音」「映像」「無線通信」によって人と人のコミュニケーションを実現する商品/ドライバを世界中のお客様に提供する企業グループを目指してまいります。
そのために、カーエレクトロニクス、無線機器、カメラ機器、映像機器、音響機器、映像・音楽ソフトの各事業領域において、成長に向けた「戦略投資」を実施し、合併一体会社として統合効果を最大限に発揮することにより、単一商品から複合商品、ソリューション、デバイスへと業容を拡大してまいります。
また、JVC、KENWOOD、Victorのブランドのもとで培ってきた「感動」の領域での強みを活かしながら、これからの時代に求められる「安心」の領域へと事業領域を拡大し、Business to ConsumerからBusiness to Business、professional to Professionalへ、マス市場向けからニッチ/カスタム市場向けへと軸足をシフトしてまいります。
なかでもカーエレクトロニクスと業務用システムは、私たちが世界の専業メーカーとして最大限に強みを発揮できる事業として経営資源の集中をさらに進めるとともに、将来のカーエレクトロニクスと業務用システムへの寄与が期待できる新たな事業領域へのチャレンジとして、「医用、教育、高齢化対応、エコ、安心・安全」の分野への進出にも取り組んでまいります。また、競争の激しいホーム&モバイルエレクトロニクスは、映像技術や音響技術を業務用システムと共有する事業として、ニッチ化/プロフェッショナル化を進め、エンタテインメントは、「感動」のコンテンツを創る唯一のソフト事業として、音楽・映像パッケージから総合エンタテインメントへと事業領域をシフトしてまいります。
このようにして、私たちは、当社発足時に掲げた統合ビジョン「カタ破りをカタチに。」を、一体会社としての企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」と進化させ、「利益ある成長」を目指してまいります。
私たちは、すべてのステークホルダーの皆様の期待にお応えし、社会から信頼され、社会に貢献し続けることが、社会の中で企業が継続的な発展を遂げるための必要条件であると考えています。
2011年3月期は、経営統合以降の業績低迷や過年度決算の訂正によって失った信頼の回復に向けて、業績・財務状況の向上に努めるとともに、連結経営体制やコーポレート・ガバナンスの徹底に全社をあげて取り組みました。今後も引き続き、業績の向上に努め、一体会社として透明性・信頼性の高い経営を目指してまいります。
加えて、私たちの強みを活かした事業活動を通じて社会に貢献し、お客様やお取引様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、期待される企業となれるよう、商品・サービスの品質向上はもちろん、あらゆる企業活動の品質向上に取り組むとともに、地域に根ざした社会貢献活動や次世代のための環境保全活動を強化してまいります。
また、この度の東日本大震災を教訓として本年6月に、最高リスク責任者(CRO:Chief Risk Officer)を任命し、危機管理体制を強化いたしました。経営に重大な影響を及ぼす様々なリスクへの対応と事業継続に向けた組織的な取り組みを強化してまいります。
このような取り組みによって、株主の皆様には早期に配当を開始し、継続的に配当が実施できる企業となるよう、全社をあげて鋭意努力してまいります。
今後とも皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

